自閉症の一人息子はまもなく思春期に 病院でも相談


真一郎さんが、光一君と2人きりの生活になって3年。当初は自分一人で息子を育てていけるのか大きな不安もありましたが、2022年春、光一君は特別支援学校の中等部に進学しました。
母・智子さんがいなくなった現実を2人で受け入れつつあります。

ある日、真一郎さんが家のテレビで生前の智子さんの動画を見ていました。光一君は少し離れた場所に座り、しきりにテレビを気にしています。今も、光一君は母の声を聞くと少し不安定になってしまうことがあるのです。



(中野真一郎さん)
「光一なりに、母親の死を受け入れて、中学生になってそれなりに成長しているなと思うところもある」

間もなく思春期を迎える光一君。定期的に診察を受ける病院でもこれからの育児について相談します。興味がある女の子もいるようで、その距離感を教えなければと考えています。

真一郎さんは、いずれ自分が光一君より先に死ぬ日が来ることを考えると、残された光一君が1人でどうやって生活していくのか、心配でたまらなくなると言います。

息子の13歳の誕生日に遺した母親のビデオメッセージ「みんなと仲良くやっていますか?」


別の日、真一郎さんはスーパーで少し奮発して高いお肉を買いました。光一君13歳の誕生日を前に、焼肉パーティを開きます。

2人きりの誕生日会ですが、智子さんからも贈り物がありました。実は智子さんは亡くなる直前、光一君の誕生日や入学式など人生の節目にビデオメッセージを遺していたのです。


(母・中野智子さん)
「13歳誕生日、こうちゃんおめでとうございます。中学校に入ってどうですか?みんなと仲良くやっていますか?新しいこともいっぱい増えて大変だと思いますけど、こうちゃんならやれます。頑張ってください」

智子さんの他の動画を見ると少し不安定になりがちな光一君ですが、ビデオメッセージを静かに見ていました。ビデオを見終わると、再び食卓へ。

にぎやかだった母・智子さんはもういません。これからも母の存在を想いながら父と息子2人で、日々を生きていきます。

CBCテレビ「チャント!」9月13日放送より