養育ではなく…自立援助ホームが担う「重要な役割」

専門家は、子どもの自立や就労支援に特化した自立援助ホームには、養育が主な目的の児童養護施設とは違った重要な役割があると話します。
(山梨県立大学大学院・西澤哲特任教授)
「児童養護施設は、乳幼児期から育てあげるタイプの養育。家庭養育が破綻して親からも見捨てられた中高生を、自分たちの家に入れてまともに養育できるかというと無理。自立援助ホームは、最初から自立を志向した関わり・支援ができる」

15歳のケンスケ(仮名)さんは、児童相談所の紹介で陽和ハウスに入所する事になりました。母親の虐待が原因で児童相談所に一時保護されましたが、そのあと家に戻ることを拒否し、行く当てがなくなったといいます。自立して仕事を見つけるためにここに来ましたが、働くことについて不安な思いも口にします。
(ケンスケさん【仮名】)
「できれば(仕事は)やりたくないけれど。やったことがない」
(陽和ハウス・渋谷幸靖理事長)
「何もしなかったら子どものままだし、一歩踏み出して仕事したら大人になっていく。丁度その間だから、踏み出す勇気も持たないといけないかもしれないね」
その後、ケンスケさんはEスポーツの施設で働くことに。業務内容は、ゲーム用パソコンの維持・管理。お客さんの話を聞き、トラブルシューティングをする仕事です。不安を感じながらも、心境は少しずつ変化。前に踏み出すきっかけになりそうです。
(ケンスケさん【仮名】)
「こういうところは楽しいなと。ちょっとくらいは働いてみたいと思った」
いろいろな事情を抱えた子どもたちを、どう支援をすべきか。子どもたちが自分らしく過ごせる居場所が求められています。
CBCテレビ「チャント!」5月1日放送より