藤井八冠「“特別な駒”だと思うので、いい将棋にしたい」

(塩井さん)
「妻は私の将棋のこと、駒や盤の(収集する)趣味のこと、タイトル戦に(駒盤を)提供することをどう考えていたのか自問自答した」

紀美子さんなら、駒の提供に賛成してくれるだろうと思ったといいます。

(塩井さん)
「書体が“清定書”という、江戸時代から伝わるかなり古い書体」

タイトル戦で使用されるのは「盛上駒」という、格が高い対局にふさわしいとされる最高級品。

手掘りの文字に漆を何度も重ね、文字が浮き立つよう仕上げる駒。じっくり時間をかけてつくり上げる芸術品です。

(藤井八冠)
「ではこちらで(決定)」

駒は、最終的に棋士が確認して使うかどうかが決まります。

(塩井さん)
「被災した皆さんも本当にパワーをいただけると思う。そして、笑顔になれると思っている」

第2局は、後手番の藤井八冠が94手でシリーズ1勝目を挙げました。

(藤井八冠)
「倒壊した家の中から見つかった“特別な駒”だと思うので、いい将棋にしたいという気持ちは強くありました」

そして、提供された駒については…

(藤井八冠)
「少し珍しい書体かなと思ったが、対局してみるとスッと局面に入り込める感じだった」

棋王防衛とタイトル戦21連覇まで、あと2勝となった藤井八冠。第3局は、3月3日に新潟市で行われます。