2月24日、石川県金沢市で棋王戦五番勝負第2局が行われました。藤井聡太八冠が挑戦者の伊藤匠七段に勝ち、防衛まであと2勝としましたが、この対局で使われた駒には能登半島地震からの復興の思いが込められていました。

24日に石川県金沢市で行われた、棋王戦五番勝負第2局。棋王初防衛を目指す藤井八冠に、同じ2002年生まれの伊藤匠七段が挑みました。

第1局は、タイトル戦では異例の「持将棋」=引き分けに。先に1勝し流れをつかめるか、両者にとって重要な第2局でした。

そして、今回注目されたのが使用された「駒」。駒を選ぶ前日の検分では…

(塩井一仁さん)
「震災で倒壊した家屋の下から探し出されたものです」

今回の対局に駒を提供したのは、石川県珠洲市在住で日本将棋連盟石川県支部連合会の理事・塩井一仁さん(63)です。塩井さんは、2009年から金沢での対局に自身が所有する駒を提供してきました。

塩井さんの妻・紀美子さんは能登半島地震で倒壊した自宅の下敷きになり、亡くなりました。

しかし葬儀の後、がれきの中から愛用の駒が無傷で発見されました。

塩井さんは今回の対局で駒を提供するか思い悩みましたが、妻との思い出が浮かんできたそうです。