将棋の藤井八冠が火付け役となり、今や名古屋を代表するスイーツとなった「ぴよりん」。2024年2月、愛知県春日井市のJR勝川駅の高架下に新しく大きな工房と「ぴよりんshopアトリエ店」がオープンしました。その人気から毎日大忙しだという、ぴよりんを作る新工房に潜入しました。
難易度MAXの「ぴよりんチャレンジ」

ぴよりんといえば、これまでJR名古屋駅構内の2店舗でしか買えませんでしたが、この度工房を春日井市へ移転し、直売店がオープンすることになりました。
「ぴよりん」は名前も見た目もそのままの、ひよこのスイーツ。誕生は13年前ですが、人気者になったきっかけは、藤井颯太八冠でした。3年前名古屋で行われた将棋の王位戦で、おやつに選ばれ、一躍全国区に。遠方からも多くの人が買いに来るようになりましたが…。

(兵庫から来た人)
「ぐちゃぐちゃになったぴよりんを、(SNSで)見たことがある」
SNSでバズったのが、「ぴよりんチャレンジ」。名古屋コーチンの卵で作ったプリンをババロア、ふわふわのスポンジでふんわりと包んだぴよりんは、とにかくデリケートです。崩さず自宅まで持ち帰る事が難しいことから「ぴよりんチャレンジ」を楽しむ人々が増えました。失敗して崩れた姿もどこか愛らしく、人気はどんどん高まっていったのです。

旧工房の2倍の広さ!ぴよりん作りも見えるように

2023年12月、ぴよりんはずっと小さな工房で作られていました。作業台一面に広がる、黄色いババロア。チョコの粒を付けると、これだけでもうぴよりんに見えてきます。

(ぴよりんアトリエ・河田裕子副工房長)
「普段も忙しいが、それにプラスしてクリスマスで客もたくさん買っていただける。数も増やしているので、(ぴよりんの)顔を付け続け、ババロアを炊き続けという感じで、忙しくしている」

河田裕子さんは、13年前のぴよりん誕生のときはアルバイトでしたが、今は副工房長。誰よりもぴよりんを知る人です。当初は一日数十個だったのが、今や1500個は作るようになり、小さな工房では手狭になっていました。
こうした事情から、春日井市・勝川駅そばの高架下に新工房が誕生したのです。ぴよりんを販売するのはJR東海の関連会社。各沿線の高架下で候補地を探したところ、1番広く場所を取れるのがこの勝川駅近くでした。

広さは2倍になり、ぴよりんも2倍作れるようになります。さらに、工房の隣にはショップも併設され、ショップ内からは工房の様子を見られるようになっています。
(ぴよりんアトリエ・河田裕子副工房長)
「緊張しますよね。今まで(客に)見られない場所でやっていたので。客に見てもらいながらとか、客を見ながらという環境でやったことがない。でも客が買ってくれる顔を見られると思うと、すごく楽しみ」