藤井聡太八冠と伊藤匠七段が石川県金沢市で対局する、将棋の棋王戦5番勝負第2局。実は、この対局で使われる駒と将棋盤は、元日の能登半島地震で倒壊した珠洲市の家屋から見つかったものでした。持ち主の思いとは。

石川県珠洲市。自宅が倒壊した塩井一仁さん(63)。そのがれきから見つかったのが…
(塩井一仁さん)
「袋状の梱包材で覆って箱に入れて保管していたので、完璧に見つけることができた」


もともと棋王戦第2局で使われることになっていた将棋の駒。全くの無傷で見つかりました。
将棋愛好家で、プロの対局でも使われる「盛り上げ駒」という最高級の駒を複数所有していた塩井さん。地震で大切な家族を亡くしました。
(塩井一仁さん)
「(がれきの中に)格子状の布切れが見えると思いますが、あれがコタツの上にかかっていた物で、その辺りが妻が亡くなった場所になります」


珠洲市にある塩井さんの家は、1階部分が完全に倒壊。妻の紀美子さんが下敷きとなり亡くなりました。
(塩井一仁さん)
「大きな声で妻を呼びますが返事はなく、近寄って声をかけますが返事はない」










