コロナ禍の中、今、子育て世代からのニーズが高まっているものの1つに「料理代行」があります。
忙しいお母さんをサポートするのはもちろん、コロナ禍で孤立する子育て世代の「心のよりどころ」にもなっているようです。
キャスター 丸山聡美
「忙しいと、ついつい手を抜いてしまう料理ですが、家に帰るとこんなにたくさんの料理が待っていてくれたら嬉しいですよね」

料理はすべて手作り。
旬の食材をふんだんに使い、栄養バランスのとれた料理が並びます。
お母さんに代わってキッチンで料理を作るのは、鳥取県米子市で料理教室などを運営するサロン「べびんず」の代表・河内奈津子さんです。
べびんず 河内奈津子さん
「私自身、産後大変な時期があって。1人じゃどうにもならないことはたくさんあるので、そこ(サポート)を今度は私が出来たらいいなと思って」
河内さんも3人の子どもを育てるお母さん。
管理栄養士として16年間、病院給食に携わった経験を活かし、2020年9月から料理代行をはじめました。

べびんず 河内奈津子さん
「食事は大事に思っているけど余裕がなくて作れない。子どものは作るけど、お母さんのは簡単に済ませてしまうというお母さんがたくさんいて、そこで私が代わりにつくってあげたらいいなと」
「べびんず」の料理代行では、客から生活スタイルや味の好みをヒアリングしメニューを提案。
依頼者が食材を準備し、河内さんが出向いてキッチンで料理をします。

べびんず 河内奈津子さん
「私自身がもう1人の家族になれるように。親戚のおばちゃんとかおばあちゃんまではいかないけど。身内に近い位置づけにしてもらえたら嬉しいなと」
料理代行を月1回利用している人は…。
利用者
「子どもとの時間を作ってあげられるようになったのが一番。毎日献立に悩まされない。月1回でもこういう週があると心のゆとりが違う」
また、コロナ禍ならではの子育て世代の悩みが「料理代行」の需要の高まりへとつながっています。
べびんず 河内奈津子さん
「外食に行きづらいとか、(産後)実家に帰れないとか、(祖父母に)来てもらうのが難しいからというのが多かったです」
コロナ禍で、産後など、周囲のサポートを受けづらく孤立する家族が多いといいます。
こうした中、「料理代行」が「心のよりどころ」としての役割も果たしているようです。
べびんず 河内奈津子さん
「コロナ禍で周りとの関わりが減ってきている。世間話が出来たりもするので、話相手としてもいいのかなと思う」

「子育て世代を料理でサポートし、食卓に笑顔の花を咲かせたい」
きょうも河内さんは、愛情いっぱいの料理を作り続けます。