梅の実は今が収穫シーズン。
鳥取県湯梨浜町特産の野花梅(のきょううめ)を地元の洋菓子店がスイーツにしています。
値上げの波の中でも、地元の味を守ろうと必死です。

普通の梅より一回り大きい梅の実、これが野花梅。
鳥取県湯梨浜町野花地区を中心に70年を越える栽培の歴史があります。

枝もたわわに、まんまるに育った梅の実は今が収穫のシーズン。
この梅を使った「うめ~」スイーツを地元の洋菓子店が作り続けています。

完熟丸ごと梅ゼリーと野花梅コンフィチュール。
湯梨浜町の洋菓子店シェル・ブールが伝統ある野花梅を広く知ってもらおうと、10年近く作り続けているスイーツです。

その名の通り、ゼリーには大きな梅の実…。

シェル・ブール 朝倉真一 社長
「野花梅の大きな梅をまるごと砂糖漬けしたものを、ゼリーの中に入れて作った商品です。良いものがあるのになかなか発信できてなかったということで作ってきました」

日野彰紀 記者
「梅の酸味が全体を引き締めて、さっぱりとした味になっています」

この地で20年以上洋菓子店を続けるシェル・ブールですが、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻に端を発する物価高で、経営環境は悪化しています。
小麦粉など材料の多くに繰り返し値上げの波が訪れています。

シェル・ブール 朝倉真一 社長
「材料が一部値上がり始めて、今は材料の配達の度に新たな商品が値上げ値上げと随分きております」

完熟丸ごと梅ゼリーも包装用の袋の仕入れが値上がりしました。
ただ、地元の味を広めるための商品、値上げ前に仕入れた袋がまだ残っていることもあり、当面商品の値上げは見送りました。

シェル・ブール 朝倉真一 社長
「今年はこれで頑張ろうと思っています。お菓子作りについても、また考えるいい機会じゃないかと思っていますので、あまりマイナスのイメージだけにとらわれずやっていきたいと思っています」

旬を迎えた伝統の味、厳しい環境の中でも地元の洋菓子店が支え続けています。