余った新型コロナウイルスのワクチンが有効期限を迎え、各地で廃棄または廃棄予定となっている問題。山陰ではどうなっているのでしょうか?
5月16日時点の、山陰両県の新型コロナワクチン3回目の接種率。30歳代以下は次のようになっています。
【鳥取県】
12歳~19歳 22.3%、20歳代 40.0%、30歳代 40.8%
【島根県】
12歳~19歳 19.6%、20歳代 37.3%、30歳代 38.3%
(首相官邸HPより)
こうした中、ある問題が。
キャスター 薄井靖代
「伸び悩むワクチン接種率。こちらの病院ではモデルナ社製のワクチンの有効期限が来週に迫っているものもあるということです」
モデルナ社製ワクチンの有効期限です。
鳥取県済生会 佐々木真美子事務局長
「2022年の2月25日が有効期限ということなのですが、今3か月延長ということになっていますので、5月25日が有効期限ということになります」
鳥取県境港市の済生会境港総合病院。
5月25日に期限を迎えるモデルナ社製のワクチンが116バイアル・約2200回分残っていて、期限が切れれば廃棄処分となります。
鳥取県済生会 佐々木真美子事務局長
「最近では接種者が少なくなって、こういう余る状況になってとてももったいないですし、残念だなというふうに思っています」
病院では、月末の予定だった集団接種を前倒しするなど廃棄を減らそうとしていますが、それでも、約1900回分のワクチンが廃棄される見通しです。
鳥取県では、その他、米子市で約1万2700回分が廃棄される見通し。
鳥取市や倉吉市は、見通しが立っていないということです。
また島根県では、大田市で約1500回分が廃棄される見通し。出雲市、雲南市、江津市では廃棄無し、浜田市、益田市では廃棄無しの見込み、松江市、安来市は見通しが立っていないということです。
鳥取県ワクチン接種推進チーム 向井京子課長補佐
「有効期限の短いものを早く使っていただける市町村に回したりですとか、そういったことはずっとやってきているところです」
鳥取県は、以前から市町村の間に入り廃棄を減らすべく調整していますが、接種率が上がらなければ限界があります。
鳥取県ワクチン接種推進チーム 向井京子 課長補佐
「ぜひ早くに受けていただいて、ワクチンを少しでも有効に使えたらなと思っています」
廃棄はなるべく減らしたい、しかし、なかなか上がらない接種率。県はジレンマをかかえています。