去年は猛暑の影響で生育が遅れ、クリスマスシーズンに起こったイチゴ不足。去年を上回る猛暑となった今年、品種登録されたばかりのイチゴ、「堅しろう」が注目を集めています。
リンゴくらい、かたいんだそうです。

クリスマスムード一色の松江市内のケーキ店。

まもなく迎えるクリスマスケーキの需要期に向け、ある試作が行われていました。

Q:何という名前のイチゴ?

松江クロード 佐川達也 常務取締役
「『堅しろう』です。普通のイチゴと比べてカットした後の水が出にくいのかなと思います」

使われていたのは「堅しろう」という名前のイチゴ。
「とちおとめ」や「章姫」などに比べると無骨な名前ですが…。

松江クロード 佐川達也 常務取締役
「去年イチゴでかなり苦労して、クリスマス時期にイチゴがないという状態だったが、(堅しろうは)安定してできると聞いたので、これから使いたいなというイチゴ」

ケーキ屋では待望だったという「堅しろう」は安来市で育てられています。

おおもりファーム 大森雄介 代表
「イチゴの実がかたいのが特徴なので『堅しろう』となったようですけど、一瞬リンゴかなって雰囲気がある。そのくらいかたい」

そう、「"堅"しろう」と名がつくだけあって、特徴はそのかたさ。

記者 土江諒
「かたい!サクッとしましたね。でもジューシーで美味しいです。甘い!」

「かおり野」と「章姫」、そして鳥取県のオリジナルブランド「とっておき」を親にもつ、去年品種登録されたばかりの早生イチゴ。

かたさだけでなく従来の早生品種よりも糖度が高いのも特徴で、安来市や鳥取県、山口県など西日本で栽培が始まっています。

去年12月の収穫量が激減したこの農園では「堅しろう」は今や期待の星です。

おおもりファーム 大森雄介 代表
「温度が少し高くても花が咲いて実がつく。流通の段階でトラックに揺られてスーパーに行までに柔らかいイチゴだと傷んでしまう」

クリスマス時期に需要が高まる早生品種ですが、従来のものだと近年の夏の暑さで収量が減り、日持ちしづらく傷みやすいという課題がありましたが、「堅しろう」は安定供給にもつながるのでケーキ店も期待を寄せています。

松江クロード 佐川達也 常務取締役
「包丁入れてしまうとそこから水分が出るが、それが抑えられるんじゃないかなというので、飾りとか中に挟んだりするのにも期待が持てるイチゴ」

おおもりファーム 大森雄介 代表
「来年はたくさん増やして、うちの主力の品種の1つということでやっていきたい」

「堅しろう」の収穫は来年の春頃まで続き、今後収穫量が増えると山陰のスーパーの店頭にも並ぶ可能性があるとのこと。

先ほどのケーキ店でも「堅しろう」が入荷次第、数量限定でボックスタイプのケーキを販売するということです。