「いってらっしゃい」と手を振った…平凡な日常が崩れ去った日
そんな歩さんはすくすくと、たくましく成長し、隣の市にある工業高等専門学校(高専)に通う学生になりました。
歩さんの兄が大阪に出ていたため、地元の防府市役所に勤める中谷さん夫妻と共に、3人で幸せに暮らしていました。

2006年8月28日。
歩さんが高専5年生の夏休みが終わる直前の朝。
中谷さん夫妻は、高専の研究室に行く歩さんを駅まで送りました。
中谷加代子さん
「駅の手前の交差点で歩の後ろ姿に『いってらっしゃい』と手を振って、歩は元気に出かけて行きました」
その日、いつもと違う庁舎で仕事をしていた中谷さん。
夕方、自分の席に戻ると、机の上に夫からのメモが置いてありました。















