冒頭の車はこの電波を探して1時間以上走り回りましたが、この時は検知できませんでした。

検知した時はザザッという音が鳴るそうで、同時に探知機のディスプレイにも電波の強さがグラフで表示されます。
反応があれば車を止め、特殊なアンテナを左右に振りながら電波の方向を探ります。

川本町産業振興課 有害鳥獣対策係 宮田圭三さん
「ある程度(方向を)絞ったら、またその近くに行って。今度は逆方向からでも見て、また同じように調べて。そうすると大体(地図上で)交差した所ですね。そこに群れがいるという」

これを、午前と午後に調査し、スマートフォンのシステムに入力。
それにより、登録している農家が群れの位置などを一斉に把握し、サルが実際に来る前に対策を考えられるというわけです。

川本町産業振興課 有害鳥獣対策係 宮田圭三さん
「(地図上で)北の方に向かってますので、こちら(南)の方は、あしたあさっては大丈夫かなと。こちらにサルが近寄ってるなというと、例えば収穫時期でしたら、早めに収穫してしまおうと対策できる」

現在探知しているのは、町の西側と、東側から中心部にいる2つの群れです。
1か月間の位置情報を重ねると5キロ程度のエリア内を活発に移動しているのが分かります。
動いている向きを事前に知ることで、一種の「サル予報」という形で利用出来るのです。

川本町産業振興課 尾﨑貴道課長
「追い払いの準備ですとか、農作物の収穫時期の見直しですとか、といった所につなげて行ってですね、被害を減らすことによって農業者の方の生産意欲の低下につながらないように。登録者がもっと増えて、町ぐるみで追い払い態勢が出来たりですね、して行くと対策がどんどん進むのではないか」

川本町産業振興課 有害鳥獣対策係 宮田圭三さん
「町内に全部で9群れいますけど、全ての群れの情報が分かれば良いですけど、なかなかそれは人材的なものや金銭のこともありますので、一度に導入するのも難しいので、やれる所からやって行くしかないと」

人手や金銭面といった課題はありますが、町では「サルイチ」によって集落全体で計画的にサルを追い払い、山に封じ込める形の対策を目指していて、将来的には近隣の市や町と連携して対策ができればより実効性が高まるとしています。