神在月でにぎわう島根県出雲市の出雲大社。
今年夏、人力車の車夫として、ふるさとにUターンした男性がいます。
10年以上、車夫一筋。自らの脚で魅力を伝える元気印に迫りました!
旧暦の10月、神在月に沸く出雲大社。
記者 木谷茂樹
「快適ですね。違った角度で出雲大社を満喫できるのはいいですね」
にぎわう神門通りを、1台の人力車が颯爽と駆け抜けます。
雲州人力社中 糸賀太郎代表
「大社の街もすごく(観光)資源がたくさんあるし、人・モノと触れてもらえるような機会を人力車を介して提供できればなと」
車夫の糸賀太郎さん31歳。地元・大社町出身です。
進学先の京都で19歳から人力車を始め、約10年間、清水寺周辺で腕と脚を磨き、今年7月、Uターンし起業しました。
雲州人力社中 糸賀太郎代表
「愛車です。購入しました。事業始めるにあたって軽トラで浅草まで1人で取りに行って。車両が100キロくらい」
記者
「100キロ!?」
東京・浅草で見つけてきた愛車の人力車はなんと100キロ。
この愛車で、出雲大社の神楽殿や稲佐の浜など、いくつかのコースを観光案内しながら巡ります。
坂の多い京都の観光地で鍛えられた脚力とトーク力。
明るい気さくな性格から、「太郎ちゃん」の愛称で街の人からも愛されています。
雲州人力社中 糸賀太郎代表
「地元の方が本当に温かくて。地域の理解が無いと絶対に出来ない仕事なので、乗っていただくお客様と同じぐらい地域を大事に」
太郎ちゃん。
この日は、ハレの日を迎える家族から予約が入りました。
七五三をする出雲大社の北島國造館までの特別コースを走ります。
七五三の家族
「せっかくなので一生の思い出にも残る人力車に楽しく乗ってお参りまで行けるかなと思って」
太郎ちゃんの引く人力車が走り始めると、通りにいた店の人もスマホで撮影会。みんなでお祝いです。
移動中は観光案内をしながらも、楽しませることも忘れません。
そして、目的地に到着し、家族は人力車と一緒に記念撮影。
笑顔がこぼれます。
七五三の家族(親)
「子どももいい顔して。知らないことも聞けて楽しかった」
七五三の家族(子)
「楽しかった」
車夫・糸賀太郎。
ふるさとの出雲に笑顔を届けるため、きょうも人力車を走らせます。
雲州人力社中 糸賀太郎代表
「目の前で喜んでもらえて『また来るね』って言ってもらえるのが何より嬉しくて、やっていて良かったと思える瞬間」