ヨーロッパや西アジアで繁殖する野鳥「ヨーロッパヨシキリ」が、日本で初めて鳥取県米子市内で観察記録され、日本鳥学会誌に掲載されました。

日本国内で初めての観察記録となったのは、ヨーロッパヨシキリです。
2020年10月2日に、米子水鳥公園(鳥取県米子市)で鳥類標識調査を行った、指導員の桐原佳介さんが捕獲しました。


ヨーロッパヨシキリは全長12センチ~14センチの小型の鳥で、体の上面がオリーブ色を帯びた灰褐色で、目立つ模様はありません。
くちばしはまっすぐで細長く、しっかりとした脚を持つことが特徴です。

捕獲当時は種類が分からず、翼の長さやくちばしの長さなど、各部位の長さや体重を計測・撮影した結果、ヨーロッパヨシキリと判断。その後、足環をつけて放したといいます。
しかし、ヨーロッパヨシキリは、国内で確認された記録がないため、千葉県にある山階鳥類研究所でDNA分析を行い、その結果、ヨーロッパヨシキリだということが分かりました。


米子水鳥公園 統括指導員 桐原佳介さん
「長距離の渡りをする鳥で、本来だとヨーロッパから西アジアで繁殖して、アフリカで越冬する鳥のはずですが、真反対の日本に飛んできてしまったようです。体長は小さいものの、捕獲したときはかなり元気な状態でした」

アフリカに向かうはずが、まさかの鳥取県へ。
米子水鳥公園に幼鳥が迷い込むことは、ときどき確認されるということです。


桐原さんは論文を日本鳥学会誌和文誌に投稿し、2022年10月24日発行された日本鳥学会誌に掲載されました。

米子水鳥公園 統括指導員 桐原佳介さん
「すごく名誉に感じています。日本の鳥類学の歴史に米子水鳥公園の名前が刻まれることを大変嬉しく思います」