山口さん(仮名)
「奥の方から「『山口(仮名)』に容疑者として逮捕状が出ています」と、電話の向こう側で警察官同士のやりとりをしているように見せかけて、本当の警察のように思わせて、『あなたの名前で逮捕状が出ていますので、今から取り調べを行います』と」
「『東京と福岡では現地に行けないので、電子機器を使った取り調べを行います』と」

山口さんは、詐欺に加担し、振込先に自身の口座が使われているという容疑で坂東の取り調べを受けることに。
そのやりとりで使われたのが、「シグナル」という通信アプリ。

そのやりとりの中では、巧妙に作られた「取り調べ同意書」や「供述調書」と書かれた書類が山口さんに、送られてきています。
そして。

山口さん(仮名)
「刑事から『このままだと逮捕される、逮捕されると家宅捜査がされる、口座が凍結される』過去に冤罪などで誤認逮捕された事例などを持ち出してきて、私に、逮捕されることの恐怖心をあおった」
「そうならないために、『優先調査という措置がある』と」

実際には存在しない優先調査。
坂東は、「高齢者や重病の人を対象に優先的に無罪を証明する制度だ」と説明します。

山口さん(仮名)
「優先調査をするためには、検事の認可が必要ということで、沖田検事と名乗る人物につながった」

次に登場したのが、検察官「沖田理子」と名乗る女。
山口さんに送られてきた沖田の身分証明書。
記載されている福岡地方裁判所長は実際に裁判所長を務めた人物の名前です。

山口さん(仮名)
「沖田検事は、『(山口さんは)優先調査の対象者ではない。坂東刑事は何をやっているんですか』と。劇場型ということで、沖田検事と坂東刑事のやりとりが聞こえるようになっていた」

そして、坂東と沖田のやり取りの結果優先調査の対象になったと告げられた山口さん。