夜空を色鮮やかな花火が彩りました。
秋の夜空に打ち上げられた500発の花火。仕掛けたのは、なんと地元の高校生たちでした。

14日、午後6時45分。鳥取県米子市内の夜空に、花火が次々と打ち上げられました。
突然の打ち上げ花火、正体は…
土江諒 記者
「秋の夜空を彩ったのは、米子東高校から打ち上げられた花火です」

花火が打ち上げられた場所は米子東高校の第1グラウンド、通称「1グラ」。
500発の花火が、集まった人々を魅了しました。
しかしなぜ、高校のグラウンドで花火が打ち上げられたのでしょうか。
遡ることおよそ3時間前。
花火の準備を進めていたのは高校生たちです。
今回の企画運営に携わったリーダー・3年の足立優子さんと、2年の山田暖太さんは吹奏楽部の先輩後輩コンビです。

コロナ禍の中、自分たちに何かできることはないか。
米子東高校では去年、PTAの会費を利用して打ち上げ花火を実施しましたが、今年は鳥取県が募集する「とっとり夢プロジェクト」の補助金を活用し、学校祭のフィナーレとして花火を打ち上げることになりました。
米子東高校 柏葉祭実行委員会 花火局 足立優子 局長
「去年実施した花火を、高校の伝統にしたいということが一つありました。もう一つはこのコロナ禍で落ち込んだ雰囲気の中で、地元・勝田の町からみんなに"あかり"を届けたいと思ったからです」

地域の人たちへ日頃の感謝を伝えるイベントにしようと、打ち上げの際はグラウンドを一般開放することにしました。
こうした初めての取り組みには、苦労も相次いだと言います。
米子東高校 柏葉祭実行委員会 花火局 山田暖太 副局長
「近隣の300軒ほどに、お手紙を生徒たちで配らせていただいて…そこが大変でしたね」
午後6時、打ち上げ45分前です。
続々と地域の住民や生徒たちが集まってきました。

米子東高校 柏葉祭実行委員会 花火局 足立優子 局長
「ちゃんと来て下さる人がいるんだなと思って…うれしいですね」
そしてついに、打ち上げの時です。
500発の花火が次々と米子の夜空へ打ち上げられます。

「ドーン」
爆ぜる音がグラウンドに響き渡ります。
集まった人たちに「あかり」が届けられ、次々と笑顔が照らし出されていきます。

準備にかけた時間は、実に半年。
高校生の熱い思いは、4分間に凝縮されました。


「寂しいね…」「寂しいですね…」
2人には達成感と同時に、祭りのあとの寂しさも訪れているようです。
訪れた人は
「学校で花火なんて一度も見たことないです」
生徒は(3年生)
「自分たちの最後、青春を色付けさせてもらいました。とっても良い思い出になりました」
米子東高校 柏葉祭実行委員会 花火局 足立優子 局長
「観客の皆さんから、ありがとうっていう言葉を聞きましたし、すごい綺麗っていう言葉をたくさん聞けました。自分がやってきたことがちゃんと実ったんだなという気持ちです」
米子東高校の打ち上げ花火。先輩から後輩へ、その思いが引き継がれます。

米子東高校 柏葉祭実行委員会 花火局 足立優子 局長
「お願いします」
山田暖太 副局長
「そうですね。今度は僕の番なので、頑張ります」
米子東高校の「打ち上げ花火」は、秋の風物詩となりそうです。