島根県の有害鳥獣被害は1998年には、2億7600万円にのぼりましたが、その後、鳥獣専門職員の採用など様々な対策を取り、現在は、7000万円程度となっています。
しかし、減少傾向にはありません。

中でも、もっとも被害が大きいのはイノシシで、全体の80%。
その被害の大半は水稲で、踏み入った田んぼの稲は倒され、穂も食べられてなくなってしまいます。

鳥獣専門職員の杉原さんは、島根県に採用される前は、電気柵に関わる仕事に携わっていました。
電気柵設置のポイントを聞くと。

島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 鳥獣専門調査・指導員 杉原瑞菜さん
「イノシシの場合だと、地面から20センチと20センチの2段張り。
よくあるのが、『低いからもうちょっと高くないと』と言われて、1段目の高さを30センチ間隔にされる方もいるが、そうすると、イノシシの目線よりも高くなってしまうので、線に触れずにそのまま、畑の中に入っていってしまう」

一方で、イノシシは、傾斜に蹄をかけ、登る能力もあるとのこと。

島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 鳥獣専門調査・指導員 杉原瑞菜さん
「圃場があれば、ちゃんと、全て囲っていただきたい。一辺でも隙間があると、それをたどって入っていったりというのがあるので、コの字ではなく、いつもロの字になるようにと言っている」