猛烈な勢力の台風11号。週明けにも西日本に接近する可能性があり、山陰地方にも直接的な影響が出る恐れがあります。
専門家は、「今回の台風が現在の予報円の中心を通った場合、山陰地方にとって最悪なコース」だと指摘します。

猛烈な台風第11号。1日午後には沖縄の南にあり、今後は東シナ海を北上する見込みです。
台風が近づくのは週明けですが、山陰地方では、すでに大雨に警戒が必要だと専門家は指摘します。

国土交通省 気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「秋雨前線がちょうど山陰地方にかかっています。この台風からの湿った暖かい空気、また太平洋の高気圧から湿った暖かい空気が入ることによって、秋雨前線を刺激することによって大雨が予想されています。この前線がしばらくの間、台風が接近するまでずっと日本付近に停滞すると予想されていますので、2日が1つのピークになりますけど、大雨、長雨に非常に注意が必要だと思います」

2日にかけて、前線の活動の程度によっては、警報級の大雨となる恐れがあり、長雨による土砂災害にも警戒が必要です。

そして、台風の接近。「今回の台風が現在の予報円の中心を通った場合、山陰地方にとって最悪なコース」と近藤さんは指摘します。

国土交通省 気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「台風本体の雨、プラス秋雨前線の先行雨量によっての大雨がひとつポイントです。あと、このコースがなぜ最悪かというと、風なんです。山陰各地によって、風の吹き方に違いがあります」

まず警戒すべきエリアは、鳥取市周辺です。

国土交通省 気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「鳥取あたりは、ちょうど紀淡海峡から南風が鳥取市に向かって吹くんです。台風が九州の北部あたりにあるときに強い猛烈な風が吹きます」

台風から離れていたとしても、油断しないでほしいということです。
さらに…

国土交通省 気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「台風が最接近してきますと、島根県の西部から南風が強まりまして、台風が過ぎちゃったな、大丈夫だな、そうじゃないんです。台風が一番怖いのは、この吹き返しなんです。この西風の時に山陰地方の沿岸部で非常に大きな災害に遭うんです」

この週末を利用して、大雨や暴風の対策を済ませてほしいと近藤さんは強く呼びかけます。

国土交通省 気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「例えばビニールハウスを補強するとか、農家の方はそういうことを考えてください。一般の方はベランダに置いている鉢植えや、飛びやすいものを家の中に片付けるといったことをしていただきたいと思います」

食料品など備蓄の確認も必要です。
今後、気象台や自治体から発表される最新の情報に十分な注意が必要です。