夏の高温と水不足により1等米比率が大幅に低下した新潟県産米について、有識者らによる研究会が来年度以降の対策をまとめた報告書を5日、県に提出し、将来的には暑さに強い品種を中心とした生産を目指すべきと提言しました。
【県農林水産部 窪田実博 部長】「次年度以降の技術対策等を検討し、日本一おいしい新潟米の安定生産へつなげていきたい」

今年度の県産米の等級低下と今後の対策について話し合う会議。県内では今年の夏の猛暑と水不足でコメの品質が大きく低下し、例年8割近くあるコシヒカリの1等米比率は4.9パーセントに。

【山崎将紀 座長】「生産者の方々はすごく努力して暑い中一生懸命頑張っていただいた。アンケートでもあったが『どうしようもなかった』という言葉が一言で言い表していると思う」

会議では大学教授やJAの関係者らでつくる研究会が等級低下の原因と来年度以降の対策をまとめた報告書を県へ提出しました。

当面の対策としては品種や作付時期を分散させることに加え、肥料の追加、水管理の徹底など技術的な対策を強化することを提言。

中長期的には暑さに強い品種の開発に力を入れ、将来的に既存のコシヒカリから新品種などを中心にした生産にシフトすべきとしています。

【県農産園芸課 渡部浩 課長】「需要と生産の関係は一体で進めていかなければ、せっかく作っても買っていただけないということになる。高温耐性コシヒカリというのはコシヒカリの要素を大きく持ったというか、ほとんどコシヒカリの中で高温耐性を付与していくということになるので、その意味では需要に応じた生産につながっていくと思う」

県は、暑さに強い特性を持った「コシヒカリBL」の開発を進めていて2027年までに候補となる品種を作り、その後実証実験などを経て導入したいとしています。
