全国ではクマによる人的被害が過去最多のペースで発生していて、今年度は新潟県内でも6人がけがをしています。
被害が増えている背景には餌不足に加え『アーバンベア』というクマの存在がありました。

新潟県南魚沼市長崎に住む阿部正明さん(70歳)は、9月3日の早朝に自宅の脇で庭木に水やりをしていたところ、体長1mほどのクマに襲われ、顔や手をかまれました。
更にクマは、助けようとした妻にも襲い掛かりました。

「これに水をくれていたのね。そしてふっと見ると、もうその辺りまでクマが来ていた。それで訳なく組み伏せられてしまった」
「クマは俺から離れて妻の方に向かってしまったものだから、仕方なくてクマを追いかけていって、ひっくり返して馬乗りになった」

阿部さんの自宅があるのは山から100mほどの距離ですが周囲には民家が集まっていて、これまで集落にクマが出たことはほとんどなく、人を襲った例は聞いたことがなかったと阿部さんは話します。

「あそこからこっちまで人に向かってくるクマっていうのは本当に稀だねって、猟友会の方も言う。クマも変わってきたんだろうか」

8月には、見附市の県道を走っていた車からクマが目撃されています。
民家から30mほどの場所で、クマは道路を横切っていました。

さらに、関川村ではクマが網戸を突き破って民家に侵入。
猟友会の男性が腕をひっかかれ、けがをしました。

【住民の女性】
「ドツンと音がして後ろを見たら、クマと目が合った。声も何も出なかったです」

県内では今年度、クマの目撃や痕跡の発見が781件あり、6人がけがをしていますが、すでに昨年度の数字を上回っています。


なぜクマは人里に降りているのでしょうか?