新潟県十日町市の美術館の作品が、修学旅行中の中学生に壊された問題。詳し経緯や動機など詳細は明らかになっていませんが、新潟県内の美術館は「作品を壊そうとされたら完全に防ぐことはできない」と、やるせなさをにじませています。

ボストン美術館の武者絵や貴重な刀剣などを集め企画展を開催している、新潟市中央区の県立万代島美術館。桐原浩館長は、十日町市の美術館で起きた問題を受け困惑していました。

【万代島美術館 桐原浩館長】「作品を壊そうと思ってくる人は、ほぼほぼいないはずと我々は理解しているので、意図的に何かされようとすると、ちょっともう手の打ちようはない」

万代島美術館でも貴重な作品を守りながらその魅力を間近で感じてもらうため、さまざまな対策を重ねてきました。

【記者リポート】「作品を汚してしまわないように、入場前には飲み物はバッグの中にしまうこと、筆記用具はボールペンではなく鉛筆を使用してもらうなど、協力をお願いしています」

さらに、子ども連れのお客には注意ポイントをまとめた案内を配布したり、子ども向けに看板を設置したりしています。展示コーナーでは…

【記者リポート】「作品の手前、足元を見てみますと白いテープが貼られていて、これより中に入らないようになっていますが、手を伸ばそうと思うと…届く距離ではあります」

壁からテープの距離は60センチほどです。

【万代島美術館 桐原浩館長】「常にそのせめぎ合いですね。作品を大事に守らなきゃいけない、近い距離で見て欲しい」

ただ、鑑賞に夢中になって近付きすぎたり触ってしまったりする人もいるため、スタッフを配置し監視カメラも設置していますが…

【万代島美術館 桐原浩館長】「気に入らないからジュースでもかけるかって、隠し持ってたものをパッとやられたら我々もう止められないです。見ていても間に合わない」

桐原館長は、最後はお客の協力なくしては成り立たないと指摘します。

【万代島美術館 桐原浩館長】「お客さまを私どもは信頼しているし、お客さまも美術館・博物館を公共のものってこういうものなんだっていう理解の上で成り立っています。作品を大事にしようという思いで来てほしい」

「貴重な作品は人に見てもらう環境があってこそ、その価値を発揮する」。桐原館長はそう話していました。鑑賞する側のモラルが問われています。