新潟県は2023年度予算案に、林業の担い手を確保するために3000万円余りの予算などを計上しています。
現場にはどんな課題があるのか取材しました。
新潟県の新年度予算案について考える ~ 林業 ~
新潟柏崎市の山間部。
およそ3万ヘクタールの森林で伐採や整備を担っているのは柏崎地域森林組合です。

重機で伐採した木の枝を削ぎ落し、カッターで切断していきます。
安定的な木材の供給や森林の保全に欠かすことが出来ない『林業』は今、ある問題に直面しています。

【柏崎地域森林組合企画指導課 植木洋一係長】「まだ現場には全然人が足りていない。すごいありがたいことに仕事はたくさんあるので…」

事業体の経営基盤の脆弱さや木材価格の下落で、給与などの労働条件が見合わず担い手が不足しているのです。

【新潟県 花角英世知事】「林業の担い手不足というのは極めて深刻だと思っている。伐採をする施業者の活動がもっともっと活発化してもらいたい」

新潟県によりますと、森林の伐採などを担う事業体の数は2022年2月の時点で49。
技術員は2020年の時点で500人と、約15年前と比べて200人以上も減っています。

現状を打開しようと県では、林業の関係者らを集めた検討委員会を2021年に立ち上げて、2022年に基本戦略を策定。
2023年度予算案では、就業ガイダンスの開催や技術研修の支援などに3124万円を計上しました。

柏崎地域森林組合の従業員は現在22人。
就業フェアなどへの参加や、UターンやIターン就職に対する柏崎市の家賃補助制度などもあり、新人は定期的に入ってきています。
【柏崎地域森林組合 1年目 鈴木淳平さん(23歳)】「技術を身に着けてきているという感覚を感じられるというの、がやりがいかな。ずっと続けていって、プロとしての自覚をしっかり持てればいいなと思います」

【柏崎地域森林組合 3年目 小池陽才さん(43歳)】「林業の分野は非常にこれから伸びてくるだろうという可能性を感じた。門をたたいてくれる若い人がどんどん増えればいいと思う」
