新潟県は新年度予算案の中で、こうした遠隔オンライン診療のための機器導入や通信費補助などを含む『オンライン診療モデル事業』に4314万円を計上しました。
山間部の医師らへの聞き取り調査も踏まえ、オンラインに不慣れな高齢者宅への看護師派遣も事業に含まれています。


【新潟県花角英世知事】「ご本人がネット環境をちゃんと整えて遠隔診療を申し込めば良いという議論ではなく、ポイントは看護師を介在させるということなんですよね」


村上総合病院の小出章医師は、遠隔診療での課題は「機器の不慣れ」ではなく『医師が直接触れない中で患者をどう診るか』だと指摘します。

【村上総合病院 脳神経外科部長 小出章医師】「聴診・触診・打診…そういう直接的な診察ができない」

派遣される看護師に必要なのは、患者の訴えを正確に医師に伝える“熟練度”だと、小出医師は強調します。


【粟島へき地出張診療所 大野充看護師長】「実際にお腹を触ることもあるんです。それによって『ちょっとここが硬いです』という話になると、その辺を医師に『詳しく見てくれ』みたいにつながって…。看護師の“観察力”が大きいと思います」


【村上総合病院 脳神経外科部長 小出章医師】「遠隔診療をするにしても、看護師が経験をつまないと、遠隔診療はなかなかできないと思いますよ」


新潟県では、まずは6か所程度でのモデル事業実施を想定しています。

オンライン環境の拡充に加え、看護師のスキルアップ…。
一朝一夕にはいかない「医療の課題」は続きます。