新潟県の新年度予算案の中にみられる「オンライン診療」。
深刻化する医師不足をにらみ、新潟県ではモデル事業におよそ4300万円を計上しています。
一方で医療現場では、オンライン診療特有の課題意識を持っています。

村上総合病院のヘリポートから 日本海に浮かぶ粟島を臨む


【村上総合病院 記者リポート】「緊急時にはヘリコプターが着陸するヘリポートを使いますが、普段からこの病院では、海を越えた粟島と病院とをオンラインでつないで診察しています」

海のむこうにいる粟島在住の患者が、画面越しに診察を受けていました。
離島になる新潟県粟島浦村には、1959年以降60年以上も常駐の医師がいません
出張診療やファクスで医師が対応していた時期もありましたが、2000年から村上総合病院が「テレビ電話」での遠隔診療を行っています。

医師5人で週に3日ほど対応する態勢ですが、2022年には、のべで村の人口の2倍以上にあたる790人が受診しました。


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粟島浦村の人たちは島内の『粟島へき地出張診療所』に行くだけで遠隔診療を受けることができます。出張診療所には看護師が常駐して患者をサポートしています。

20年以上担当しているという小出章医師は、遠隔診療について「天候に左右されず、移動の労力も省ける遠隔診療は必要で、使える地域は多くあるだろう」と話します。


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