新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所は、テロ対策の不備が相次ぎ事実上の『運転禁止命令』が出されています。
そのような中で、原子力規制委員会の山中伸介委員長が28日に柏崎刈羽原発を視察し、この春に『運転禁止命令』を解除するかどうかを判断する見通しを改めて示しました。

2021年に柏崎刈羽原子力発電所では、IDカードの不正使用問題や侵入を検知する設備の故障など、テロ対策の不備が相次いで発覚したため、東京電力に対して原子力規制委員会は事実上の『運転禁止命令』を出し、追加の検査として再発防止策のチェックも行っています。

山中委員長は、冬場の厳しい環境下でも侵入を検知する設備が正常に機能しているかどうかなどを確認しました。

【東京電力の担当者】「雪の対応もありますので、定期的に外を警備員が巡視して、設備の状況を見て何かあれば我々に報告が来るしくみ」


【原子力規制委員会 山中伸介委員長】「核物質防護について、非常に厳しい気候の条件や環境の中で東京電力が努力をされているということも、今回の視察でよく理解できました。ただ、まだまだ課題もありますので、自ら課題を解決する、改善する取り組みをしていただきたい」


事実上の『運転禁止命令』を解除するかどうか、原子力規制委員会ではこの春にも判断するとしていましたが、視察を終えた山中委員長は時期の見通しについて「変化はない」と述べていました。