“出稼ぎ”をなくすことが政治の原点

「私自身がですね、長男でございまして、何も東京で死のうというふうに考えておらないんですから…」

会場の笑いを誘ったこの一言に、田中角栄という政治家の“原点”がある。

地方で生まれ、地方で暮らし、地方で人生を終える。
それが当たり前にできる国をつくること。
角栄にとって政治とは、そのための仕事だった。

当時の新潟では、多くの若者が仕事を求めて東京へ向かった。
冬になれば『出稼ぎ』という言葉が、あまりにも日常だった。
「故郷を離れなければ生きていけない」
それが地方の現実だった。

だからこそ角栄は、新幹線を通そうとした。
高速道路を整え、港を広げ、企業を地方へ呼び込もうとした。

それは単なる公共事業ではない。
『地方に住み続けられる構造』をつくることだった。

2026年の今も、その構図は大きく変わっていない。