身近な問題や疑問を調査する『ど~いん新潟』です。
皆さんの周りには、ないでしょうか?『空き家問題』について考えます。
新潟県魚沼市の空き家で行政が強制的に建物を撤去する代執行が始まりました。
今回は撤去費用がまるまる行政の負担となります。撤去費用について住民は?

割れた窓ガラスにさび付いたシャッター…
建物の中にはロッカーやいすがそのまま残されています。

魚沼市の住宅街で放置されていたこちらの建物、延べ床面積400平方メートルを超える3階建ての工場1棟とおよそ100平方メートルの木造2階建て住宅で、空き家になってから20年以上たち傷みも激しくなっていました。

「行政代執行法第2条の規定に基づく代執行を実施し、本件、特定空き家の除却工事に着手する」

この建物で魚沼市が強制的に建物を撤去する『略式代執行』が始まりました。近くには、保育園や小学校があり通学路に面していますが、過去には台風で屋根が飛ぶ被害も出ていました。

【魚沼市役所 総務政策部 小島勉 副部長】「周辺への危険度、景観、衛生的な観点の3つが特定空き家の撤去基準なんですけども、降雪による落雪等の危険が一番大きな理由です」

この建物は、所有者が亡くなった後、相続人が相続を放棄していたということです。

【記者リポート】「建物の所有者が特定されている場合、撤去費用はその持ち主に請求されるのですが、所有者が特定できない、亡くなって相続人がいない場合、その費用は行政が負担することになるんです」

魚沼市が負担する撤去費用はおよそ1100万円。これについて住民からは…「税金から支払われることについて?」
【空き家の隣に住む人は】「私としては賛成だと思います。雪もそうだし、板がこの前落ちて、幸い人がいなかったけど、(撤去が決まって)気持ちは楽になりました」

一方で…
【近くの住民は】「結局私らが払った税金を使うんでしょ?だから壊す自体は良いんだけどけど、それは抵抗あると思います」

新潟県によりますと直近の2018年の調査時点で県内には14万6200戸の空き家があり、今年3月までに19件が『略式代執行』で撤去されました。

【魚沼市役所 総務政策部 小島勉 副部長】「多額の費用がかかるので、(反対の)ご意見もあろうかと思いますけれども、市民の皆さんが安心して暮らせるようにするためには必要なことだと思います」

こうした空き家を生まないために私たちにも求められていることがあります。

【魚沼市役所 総務政策部 小島勉 副部長】「今ある家を今後どのようにしていくのかというのを家族間で話し合いをしていただきたい」

県は、空き家を借りたい人と貸したい人などを繋げる『空き家バンク』への登録も推奨しています。