7月1日で能登半島地震から1年半。新潟市は10月までに9割の公費解体が終わる見込みとしていますが、被災者からは市の今後の対策に懸念の声が聞こえてきました。

【記者リポート】「地震発生3日後からこちらで取材をしていますが、その時と比べかなり住宅の数が少なくなっているように感じます」

「また、住民の方に話を聞くと工事のために大型トラックがたくさん通るんですね。その度にこちらの道路が衝撃で少し形が変わっていると話していました」

液状化の被害を受けた新潟市 西区 善久地区です。能登半島地震から1年半がたったこの日も住宅の解体工事が行われていました。

【住民は】「皆さんどこに行ったか分からない状態で、町内会といろいろなコミュニティーがなくなって非常に寂しいです」

液状化などで1万8428棟の被害が確認された新潟市。

【立松有美さん】「公費解体が終わって家を建て始めたというところが復興のスタートだなと思っています」
新潟市西区に住む立松有美さん、修さん夫婦です。

液状化の大きな被害を受けた立松さんの自宅は大規模半壊と認定されました。去年4月、住宅の解体費を自治体が全額負担する公費解体を申請。

申請から10か月後の今年2月、ようやく解体が始まり、

同じ場所での住宅の建て替え工事が続いています。

【立松修さん】「やっと少し先のめどがついてきたので、これからちょっと落ち着て生活ができるかなって感じがしています」

新潟市によりますと、5月末時点で公費解体は1045件の申請があり、5月末時点で全体の6割を超える650件の解体が終わっています。

新潟市は10月末までに全ての解体工事完了を目指していて、9割を超える925件の解体が終わる見込みです。

復興に向けて歩みが進む一方懸念も…
【立松修さん】「固定資産税から住民税からずっと払ってきて、これからも払い続けて住んでいこうと決めているのに、そこにまた追加負担って」

液状化対策は地域によっては工事が必要で、新潟市は工事を行う場合、費用の一部の負担を住民に求める方針です。

【新潟市 中原八一 市長】「公共施設である公道を守ると同時に、その住宅を守る両方の対策でありますので」

【立松有美さん】「ぜひ、住民負担なしで私たち安心して住めるようにどうにか計画してほしいなと思います」

あの日から1年半。被災者にとって復興はいまだに道半ばの状況です。