近年、世界で注目されているのがビーガン料理です。ビーガン料理は、肉や魚だけではなく卵や乳製品など動物由来の食品を一切使いません。健康志向の日本人や外国人旅行客などの需要が高まっていました。これに青森県内でいち早く、対応しているのが黒石市です。ビーガン料理で誘客をめざし、様々な取り組みが動き出しています。



黒石温泉郷にある老舗の旅館、「旅の宿斉川(さいかわ)」です。こちらでは3年ほど前から出汁を昆布と野菜で取るなど工夫を重ねながら動物由来のものはいっさい使わないビーガン料理を提供しています。

自慢の料理がずらりと並んだ御膳。生野菜を食べる時のマヨネーズは卵を使わずに豆乳で作りました。

※河村庸市キャスター
「通常のマヨネーズより重たくなくて優しい印象です。さっぱりしていておいしいです」

客を飽きさせない工夫は随所に。こちらの鍋は、味噌にココナッツミルクを加えて洋風に仕上げています。

また、精進料理からヒントを得たというひと品は、生麩を大根で挟んで焼いています。

※河村庸市キャスター
「大根のシャキシャキっという食感は残っていてそこにこのやわらかい生麩が。どちらの食感も楽しめておいしいです」

旅館で中心となって取り組んでいるのは、若女将の斉川蘭子さんです。2017年までの5年間、ビーガンが浸透しているアメリカ・ニューヨークで暮らした経験をもとに動いてきました。

※旅の宿斉川 斉川蘭子若女将
「(客に)一人、ビーガンの方がいらっしゃって対応できないかと。私の母はお客様の要望に応えるのが好きだった。ちょうど私がニューヨークから帰ってきた。『ビーガンって何って』向こうの方ではかなり生活になじんでいたので『こういうのだよ』って」

こうしたビーガン人口は近年増えていて、全世界に約7800万人いるとされています。

このため、大豆を加工した代替肉、大豆ミートを始めビーガンに対応した食材は全国で需要が高まっています。

宮崎県のスーパーでは健康志向の高まりもあり、大豆ミートの商品は大きく展開しています。

また、石川県小松市の老舗和菓子店は、専用の和菓子を開発。砂糖にはてん菜を使った天然甘味料を使うことにしました。

こうしたなか、青森県内でもいち早く、ビーガンに着目したのが黒石市でした。
12月には、ビーガンのシェフを招いて黒石市内の料理店などを対象に試食会を開催し普及に努めています。