現在、漁の停止が命じられている小型船のスルメイカ漁についてです。
水産庁は漁獲枠を増やしましたが、すでに漁獲している量を依然として下回っていて、漁は再開できない見通しです。漁業者からは憤りの声が上がっています。

水産庁は5日に審議会を開き、スルメイカをはじめとした漁獲枠について議論しました。

小型船のスルメイカ漁は、全国の漁獲量が漁獲可能量を上回っているため、10月末に漁の停止が命じられていました。

5日の会議では、漁獲可能量を増やす案が示されましたが、小型船については5757トンで、10月24日時点の漁獲実績5896トンを依然として下回っています。このため、2026年3月末まで漁は再開できない見通しです。

三沢市漁協では、大きな痛手として怒りをあらわにしています。

三沢市漁協 熊野 稔 組合長
「愕然としています。11月中旬過ぎていくと、もうほとんどイカは太平洋沖ではのぞめないのがいままでの結果だった。そこの期間を我々は自粛して、きょうの日を待っていたわけですよ。それが、こういう結果で答えが出たのは、本当に悔しい」

三沢市漁協は、スルメイカにかわる水揚げを確保するため対応に苦慮していて、2026年に向けて制度の見直しを強く求めています。

三沢市漁協 熊野 稔 組合長
「今年のような大きなかい離があるTACの決め方でなく、もっと沿岸の漁業者一人一人の思いがのっているんだという部分で、TACを決定する作業を(来年は)ぜひ改めてやっていただきたい」

水産庁は、別の漁法から小型船に漁獲可能量を振り分けることについては、それぞれの漁法で資源管理のもとに枠を守っている以上適切ではないとしています。