誰よりも熱く 野球にひたむきに…
七戸町出身。地元の中学に進み、高校・大学では全国大会とは無縁だった。大学でもデビューしたのは3年の秋。決して順風満帆な野球人生ではなかった。

転機は3年の冬、今の躍進に繋がる“ストレート”の模索期間が、その先の進化につながった。
新沼館監督
「冬のオフシーズンに本人なりに考えてフォームを変えた(テイクバック、腕の振りをたたんで小さくして投げようとした)。ただ今まで140キロを超えていたが、球速が落ち140キロにすら届かなかった。その時に『今までの自分のフォームに戻したらいいんじゃないか』とアドバイスした。腕の振りを大きく背負うようにして投げるフォームに戻し、それが今のフォーム、力強い投球につながっている」
その翌年、大学4年のときにはスカウトが集結する中で富士大に3失点完投勝利。点を取られても投げ続ける姿に「他の人を寄せ付けないオーラ、自分のものをもっていた」と一つの完成形をみた。
松山は今季、けがでの途中離脱もありながら、53試合に登板して0勝1敗5ホールド、そしてセ・リーグ記録に並ぶ46セーブを挙げた。
52.2イニングを投げ、奪った三振の数は72。名実ともに球界を代表するクローザーに成長した。
「目標は黒田博樹投手。気迫あるピッチングで熱い男として活躍できたら」。
育成指名を受けた2022年のドラフト指名会見で語った理想像とは形を変えたが、最終回に誰よりも“熱い男”となって自らの野球人生を切り開いた。