大雨によって青森県外ヶ浜町の三厩藤嶋地区では住宅など23棟が浸水などの被害を受けました。もとの暮らしには戻らないまま、住民たちはまもなく冬を迎えることになります。
※近江商店 近江信子さん
「さみしくなる、誰もいなくなって戻ってこれないもの。みんな年取って。店をやっても意味がない。」

こう話すのは、外ヶ浜町三厩藤嶋地区で商店を営む近江信子さんです。地区の中心部にあり、地域の人たちにとっては、憩いの場にもなっていましたが、8月の大雨で近くの藤嶋川の水があふれ、住宅などに土砂が流れ込むなどして、まわりの様子は一変してしまいました。この地区では7世帯が全壊し、うち6世帯は親類の家やアパートに移り住むなど、これまでとは大きく異なる暮らしを余儀なくされています。

一方で、被災した住宅で生活を続けることを決意した人もいます。
※伊藤英樹さん
「自分が帰ってくる家も残したいし両親も違う環境で暮らすといっても大変だろうなと。」

青森市に住む伊藤英樹さんは、両親の住む実家が被災。仕事を休み、流れ込んだ土砂や流木の撤去作業にあたり、両親とともに2階で暮らしていました。被害認定の調査で町と協議を重ね、全壊との判定となり、ようやく本格的にリフォームを進められるようになりました。


※伊藤英樹さん
「全壊になれば補助金の額も違うのでそれはやっぱり1円でも10円でも高い方が、貰える額が大きい方がいいので。あとはこちらで借金をしなければいけないので」

先週からはガスが使えるようになり外壁も新しく張り替えたことで、寒さへの対策は講じることができましたが、入浴に不便が続いています。

※伊藤英樹さん
「お風呂が水没した。水害で。なかもみんな泥が詰まって使える状態ではなくて。どうしてもお風呂を新しくしなければいけない。」

さらに天井や壁にはまだ土砂が流れ込んできた跡が残っていますが、室内の柱を補強し、新しく扉を取り付けるなど、できるところから作業を進めます。

※伊藤英樹さん
「つい最近まで水害で泥を片付けていた感じだという気持ちもあるし、家を直していることもあったので。無我夢中でやっていたのであっという間の3か月間でしたね。次は治せないので、金銭的な面でも、もう二度とこういう水害が起きないように川の整備をしてもらいたい」

大雨から3か月が過ぎ、もとの暮らしには戻らないまま、住民たちはまもなく冬を迎えることになります。