トヨタ自動車やホンダなど自動車大手8社の労働組合がきょう、一斉に春闘の要求書を経営側に提出しました。物価の上昇が続く中、各社とも高い要求水準となっています。

トヨタ自動車の労働組合は、好調な業績や物価高を踏まえ、比較可能な1999年以降で最も高い水準となる賃上げを要求しました。

全体の賃上げ要求額やベースアップ相当分の水準は公表していませんが、職種や階級別に17種類の要求額を示し、ベアと定昇をあわせた、最大でひと月あたり2万8440円の賃上げを求めています。

また、ホンダの労働組合も基本給を引き上げるベースアップと定期昇給分をあわせて、総額でひと月あたり2万円の賃上げを要求していて、1992年以来の高い水準の要求となっています。

一方、認証不正問題が拡大しているダイハツ工業の労働組合はベア要求を見送っています。

自動車総連 金子晃浩 会長
「少なくとも掲げた要求をしっかり貫徹するということ。少なくとも日本経済を牽引する水準感で獲得をしてほしいと思っています。同じ職場で働いている非正規の方々だとか、または組合のない取引先へも波及をする。どこまで広げられるかと、そこが今年の取り組みの大きなポイントになるんじゃないかなと」

春闘相場をけん引する自動車大手は来月13日に集中回答日を迎える予定で、交渉が本格化します。

歴史的な物価高が続く中で、好業績が続く自動車大手が前の年から続く賃上げの流れを続けられるかが焦点となります。