福島県大熊町の帰還困難区域にある小学校では、校舎の中に残された私物の持ち出しが震災後、初めて行われ、訪れた当時の在校生や保護者が13年ぶりに思い出の品と対面しました。

大熊町の帰還困難区域にある旧熊町小学校。下駄箱の靴は床に散らばり、教室の机には本や辞書が置かれたまま…時計の針も止まっています。

4日までの3日間、ここで私物の持ち出しが行われ、震災当時の在校生やその保護者など200人以上が訪れました。小学校は帰還困難区域にあるためこれまで立ち入ることができず、児童の私物がそのまま置いてありましたが、校舎の老朽化を理由に今回、震災後初めて持ち出しの機会が作られました。

友人と久しぶりの再会を喜ぶのは、当時5年生だった梅原由尋さん。埼玉から訪れた梅原さんが今回持ち出したのは、亡くなった祖母が手編みした帽子や手袋などの思い出の品です。

梅原由尋さん「こういった物をもらって当時うれしかった。物が残っていたというのはよかった」