高齢化や人手不足によって廃業する農家、遠征費や活動費の捻出に困っているクラブチーム。この2つをマッチングして、それぞれの課題を解決しようという取り組みが沖縄本島北部で始まっています。足りないところを補い合う、互いにWINWINの関係が築かれています。

農家への「収穫応援プロジェクト」

名護市の「沖縄アロエ」。地元の契約農家が育てる新鮮な農作物を使った加工品の製造、販売などを手掛けています。

この企業がおととしからある取り組みを始めています。

今が旬のタンカンを次々に収穫する地元のラグビーチームの子どもたち。「収穫応援プロジェクト」の様子です。人手不足が課題となっている契約農家と活動費を捻出したい子どもたちのクラブチームを沖縄アロエがマッチング。

農家の収穫作業を子どもたちが手伝い、その農作物を沖縄アロエが買い取る際の金額の一部がチームに贈られるという仕組みです。

プロジェクトの発起人で沖縄アロエの渡久地理さん(55)。きっかけは、契約農家からのこんな声でした。

沖縄アロエ 渡久地理副社長
「(取引のある)生産者はほとんど70~80代の高齢化になっているという現状があって、農家からは『あと何年作れるんだろう』とか、後継者が見つからないといった声があったんですね」

高齢化で人手不足が深刻化する農家。沖縄アロエによると、やんばる地域では、安定供給が難しくなり、解散を余儀なくされる生産組合も出ているといいます。

さらに、職場の従業員からこんな声も―

沖縄アロエ 渡久地理副社長
「子どもたちがやりたい部活動を応援したいんだけど、『活動費が以外とかかるんだよね』とか、あと(上位大会進出で)お祝いムードはあるが、カンパの資金集めに苦労していて―」