完治することがないと言われる「薬物依存症」という病。刑務所で受刑者に自らの経験を伝えながら自分自身の過ちと向き合い続ける男性がいます。薬物依存の現場を前編・後編でお伝えします。

薬物やアルコール依存からの社会復帰を支援するNPO法人「仙台ダルク」ここで職員として働く野村一史さん(37)です。野村さんも覚醒剤の使用で逮捕された過去を持ちます。
仙台ダルク 野村一史さん:
「今は規制されている危険ドラッグ。私が使い始めた頃は合法ドラッグと言われていた。使っているコミュニティの中にいると自然と(覚醒剤使用者と)関わりが出てくる」

知人に勧められ、覚醒剤を使用するようになりました。その後の人生は180度変わり、薬に依存するようになりました。
仙台ダルク 野村一史さん:
「人間関係も生活もみんなひっくり返っちゃうんですよね。相談もできないし。でも、薬を使っていた仲間の所に行くと共感してくれる。『大変だな、薬でも使って気晴らし』みたいな感じになる」

1月17日、野村さんが訪れたのは、仙台市若林区にある宮城刑務所です。