日経平均株価1か月も経たずに、年初から一時3000円以上上昇

――年始前の予想を超えてきました。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
(年末まで)まだ11か月あるからわからないが、予想した3万5000円よりだいぶ上にいった。

――その背景には一体何が?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
誰が買っているかと言うと、主に海外の投資家。海外投資家の買い越し額が1月だけでも1兆4000億円。11月以来の買い越しだった。海外投資家って具体的には誰かというと、一つはヘッジファンド。短期筋が買っている。それから、今回注目すべきが中国人の個人投資家。中国から日本に投資マネーが逃げ込んできたような形。中国は景気が悪い。この間出た中国のGDPでも、2023年のGDPもデフレ。しかも景気がすぐに回復するという見込みもなくて、中国人が「これはもう駄目だ」と。アメリカ株と比べると日本株の方がまだ買いやすいというので、日本に逃げ込んできている。実際、先週今週あたり、中国国内で買える日本株の投資信託・ETFがものすごく過熱して、理論価格よりも、市場で取引される買い注文が殺到して値段がぐっと吊り上がった。それで、何日かにわたって売買停止になってしまった。つり上がった値段で取引させると、「高値掴み」、投資家に大きな損をさせかねないというので、取引所が「一旦、売買(に関して)みんな落ち着け」ということが何日もわたって起きた。

――殺到しているということは、まだまだみんな買いたいということか?

1月25日の週あたりからもう一巡したのかなっていう気もするが、1月29日週明けからもう一度、加熱する可能性はある。ただ2月から中国では春節の休みに入るので、一旦それまでには落ち着くだろうと思います。

――このまま、年内にバブル最高値だった3万8915円を超えるのでは?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
「超えるのでは」と私もよく聞かれます。絶対にないとは言えないが、正直少し難しいのではと思っている。日経平均の実力、もしくは日本企業の業績と比べると3万8915円というのは少し高すぎる。もちろんマーケットなので、絶対にいかないと言えないし、いくかもしれない。もし、今年中に3万8915円届くようなことがあれば、日本株はちょっと割高。
若干「バブル」と言ってもいいかもしれない。

――上昇気流にある中で、今から「自分も入っていいかな」と思う人もいるが。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
いいと思いますが、ただ短期的に利益を狙おうっていう投資家は、今はちょっと様子を見た方がいいかもしれない。1月25日週明けから少し軟調になってきた。水準としては今もう天井圏に近い。ただ、長期の投資か、別に目先どうなろうが10年後20年後の資産形成が目的ならばこのまま、買い続ける。今から買っても全然構わないと思います。

――つまり年内にバブル最高値を更新することはわからないが、10年20年考えてみたら全然超えていくと。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
いずれ超えていきます。年内は難しいが来年、再来年のどこかで、史上最高値更新というのは、もう何も難しい話ではない。(今から長期投資で始めることは)いいです。私の妻と子供たちも買っています。