アジア選手権で20年ぶりの銀メダルを獲得したハンドボール男子日本代表(彗星JAPAN)が一夜明け、27日に開催地バーレーンから帰国した。
大会の優秀選手賞に輝いた部井久アダム勇樹(24、べいぐあだむゆうき)は、今大会の躍進について「前回のオリンピック予選の優勝というのもあったが、今回少しそのメンバーとは違うなかでも、絶対勝つんだという気持ちがチームの中に漂っていた。勝ち癖じゃないが、そういう負けない雰囲気みたいなものがチーム内にも広がっていた」と語った。
26日の決勝では大会6連覇を狙う王者カタールに24‐30で敗れたものの、20年ぶりの準優勝。今大会、特に“死闘”を繰り広げたのが開催国であるバーレーンとの準決勝。試合前から相手チームのサポーターで席は埋め尽くされ、日本がボールを保持すると大ブーイング、観客席から物が投げ込まれ、試合は2度中断した。
そんな完全アウェイな荒れ試合を、日本は集中力を切らさず見事に勝ち切った。部井久はその時の状況を「笑っちゃうくらいのブーイングを食らった。本当に声も聞こえないという中だった」と説明した上で、「(去年10月の)オリンピック予選でもあれぐらいのアウェイの中で勝てたという経験がやっぱり大きかった。誰一人慌てている選手はいなかった」と自信を口にした。
主将の東江雄斗(30、あがりえゆうと)も「若手が勢いをもたらし、中堅とベテランが上手くまとめる。誰がキーポイントというよりは本当に今は凄いバランスの取れたいいチーム」と語った。
春先に日本ハンドボール協会は、パリ五輪出場を決めているフランス(東京五輪金)やデンマーク(23年世界選手権金)など、世界の強国とのトレーニングマッチを組めないか調整中だという。
このトレーニングマッチが実現すれば、更に良いチーム状態でパリ五輪を迎えられる。他のアジア諸国が世界最終予選を戦うこの期間に、チームと向き合い、しっかり準備できることの効果はとても大きい。
東江も「3月にも国際試合があるので、そこでしっかり自信と経験を積んで、オリンピックに最高の状態で挑みたい」と強く意気込んだ。
【アジア選手権 男子 日本戦の全日程(日本時間)】
・予選ラウンド
1月11日 日本 29-25 サウジアラビア
1月13日 日本 28-28 イラク
1月15日 日本 59-11 インド
・メインラウンド
1月18日 日本 25-23 イラン
1月19日 日本 29-26 UAE
1月21日 日本 28-28 カタール
・決勝トーナメント
準決勝 1月24日 日本 20-17 バーレーン
決勝 1月26日 日本 24 -30 カタール














