福島第一原発で計画されている「燃料デブリ」の試験的な取り出しについて、東京電力は25日、「今年度中の開始は困難」として計画を延期すると発表しました。

福島第一原発2号機では、今年3月末までにロボットアームを投入し、原発事故で溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」の試験的な取り出しを始める計画でした。ロボットアームを投入する入り口部分は、ケーブルなどが溶けて固まった堆積物で覆われていたため、東京電力は10日から堆積物を突き崩した上で、水で押し流す作業を行ってきました。

しかし、ロボットアームの開発が遅れていることなどから「今年度中の取り出し開始は困難」と判断。25日、計画を延期することを発表しました。

今後はロボットアームではなく、「テレスコ式」と呼ばれる釣り竿型の装置を使い、今年10月ごろまでの作業開始を目指すことにしています。

燃料デブリの試験的取り出しの延期は、今回が3回目です。

また、東京電力は来年度の処理水の海への放出計画も明らかにしました。福島第一原発では今年度4回の処理水の海洋放出を行いますが、来年度は量にして今年度の1.8倍にあたるおよそ5万4600トンを、7回に分けて放出する計画となっています。

また、1回あたりはこれまでと同じくおよそ7800トンを放出するとしています。