夏の富士登山の混雑を緩和するため、静岡県は2024年の夏山シーズンに夜間の入山を制限する検討を始めたことが分かりました。県が動き出した背景には、安全対策を進める山梨県独自の規制策があります。
富士登山をめぐっては2023年、新型コロナの規制が解除され、山頂付近での混雑や弾丸登山、マナー違反などが問題視されました。
こうした状況を受け、静岡県は2024年の夏山シーズンの期間中、富士宮、須走、御殿場の3つのルートで山小屋を予約している登山者を除いて、午後4時以降の入山を試験的に規制する方向で検討を始めたということです。こうした背景にあるのは、山梨県側の動きです。
<富士吉田市 堀内茂市長>
「危険な状態にあるので(夜間は)2,000人という限られた人に安心して安全な登山を楽しんでもらいたい」
2023年12月、山梨県富士吉田市の堀内茂市長や山小屋の経営者らでつくる組合が山梨県庁を訪れ、2024年の夏山シーズンに向けた対策を要望しました。
このため、山梨県は、安全対策を検討し、2024年の夏に吉田口登山道で、1日の登山者数を原則4,000人に制限するほか、山小屋の宿泊者を除いて午後4時から午前2時まで登山規制を行う独自の規制策を実施するとしています。
こうした吉田口の規制に伴い、静岡県側に夜間の登山者が流入するのを避ける狙いもありますが、関係者からは喜びの声が上がりました。
<富士山表富士宮口富士登山組合 池田裕之組合長>
「富士宮口は結構迷惑の登山者も多くてトラブルが多かったので、夜間の入山規制をかけてくれると助かる。県が動いてくれて方向性を出してくれたのはうれしい」
静岡県によりますと、ご来光のために夜通し登る弾丸登山などを抑制したい考えで、2024年度の当初予算案に関連する費用を盛り込む方針だということです。
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