二十歳の節目の晴れ姿というと「振り袖」をイメージする人も多いと思います。しかし、振り袖を着ることは、誰にとっても当たり前のものではなく、経済的な理由で振り袖を諦める人もいます。今回はひとり親家庭で育った人に、二十歳の思い出の記念写真を贈る活動を紹介します。

二十歳の振り袖を諦める人たちに手を差し伸べるプロジェクトとは

色とりどりの振り袖。二十歳の節目を華やかに彩ります。

二十歳の女性
「お母さんたちが振り袖姿を見たいっていうことで、振袖にしました」
Qきょうは振り袖にしようと思ってた?
「はい、ずっと前から。人生1回の成人式なので、また、親とか祖父母にも成長した姿を見せたいなと思ったんで、振り袖にしました」

振り袖を着ることは、誰にとっても当たり前のものではありません。着物のレンタルや着付けの費用などは、けして安いものではなく、経済的な理由で、振り袖を着るのを諦める人もいます。

そうしたなか、ひとり親家庭で育った子どもたちを対象に、振り袖姿の記念写真をプレゼントする活動がおこなわれています。「振り袖プロジェクト」です。

こちらの写真は、プロジェクトで撮影されたものですが、着物や着付け、ヘアメイク、そして写真撮影も全て無料。企画したのは、那覇市で着付け教室を営む新垣華さんです。子どもの貧困問題で、自分が力になれることを模索する中で、このプロジェクトを思いつきました。

振袖プロジェクト主宰 新垣華さん
「自分が持ってる技術であれば、着付けもそうですけど、体一つで私が行けば、私のその時間さえあれば、成人式っていう一生に一度の思い出を、やっぱり金額じゃない、1日に残るものをプレゼントできるなって思ったときに、それだと思って」

2021年秋にプロジェクトを立ち上げ、SNSを通じて、撮影希望者を募ると、すぐに多くの人から反応がありました。

応募者のひとり、専門学校生の安次嶺虹七さん。ひとり親家庭で育った虹七さんは、二十歳の振り袖写真を諦めていました。