■「BA.5」せき・発熱など長く続く可能性 感染者はBA.2の1.3倍で増加
齋藤キャスター:
コロナ感染が急拡大していますが、その原因の1つとみられているのがオミクロン株の亜種「BA.5」です。

<東京都の「BA.2」「BA.5」疑いの割合>※都モニタリング会議より
●6月21日~6月27日(前回の発表)
BA.2=57.8%
BA.5=33.4%
●6月28日~7月4日(最新の発表)
BA.2=38.3%
BA.5=56.4%
確実に置き換わりが進んでいることがわかると思います。
<「BA.5」置き換わりの速度>※厚労省の専門家会合(7月13日発表)
感染者の増加の速度はBA.2の約1.3倍
→8月1周目にはBA.5にほぼ置き換わるのではないか

また、厚労省アドバイザリーボードの脇田隆字座長は、免疫をすり抜けて感染してしまう「『免疫逃避』というものが懸念される。感染者数の増加の要因となりえる」というお話をしていました。
<感染した場合の重症化リスクは?>
7月12日、WHOのテドロス事務局長は「感染力は強いものの、重症化についての増加は見られない」と話しています。
<ワクチンによる抗体量>
米・ハーバード大学などの研究によると、ワクチンによる抗体の量=BA.1、そしてBA.2に比べるとBA.5は約3分の1程度ということがわかっています。

ホラン千秋キャスター:
忽那さん、現場で診察をしていてBA.5に関して、どのように感じていますか?
忽那教授:
今のところ重症度に変わりはなさそうに思います。ですので、特にBA.5に感染すると今までよりも重症化しやすいということはおそらくないのかなと思いますが、やはり感染力が非常に強い。過去に感染した人も感染しうる、ワクチンを打っておいても感染しうるということで、爆発的に感染者が増えるとその分、重症者が増えるのでそういう意味では十分警戒すべきだとは思います。
井上キャスター:
アメリカの研究で、肺でBA.5は増える恐れが出てきたという話がありましたが、オミクロン株の亜種はオミクロン株の特徴を引き継いでいると考えていいですか、それとも結構違うものに変わってきたという印象ですか。
忽那教授:
実験室レベルの報告ではそういったものが出てきています。ただ、実際に肺炎を起こす人の頻度が増えているかとかいったことはまだはっきりとはわかっていないのと、重症化する人がはっきりと増えているというようなこともなさそうなので、このあたりはもう少し人での実際の重症度のデータというのをこれから見ていく必要があるのかなと思います。
井上キャスター:
ワクチンの重症化予防の効果は引き続きあると考えていいんですか。
忽那教授:
感染予防効果は落ちていますけど、重症化を防ぐ効果は保たれていますので、そういう意味でぜひワクチン接種はご検討いただきたいと思います。