ダイハツ工業が国の認証を不正に取得していた問題は、国内全ての工場が停止するなど波紋が広がっている。
ダイハツ認証不正の波紋で、国内4工場が停止・・・地元は

滋賀県竜王町にあるダイハツ滋賀工場。人気の軽乗用車「タント」を生産する主力工場だが、2023年12月25日から稼働を停止している。
12月、契約社員として入社した男性は「入って2週間でちょっと仕事慣れてきたかなぐらいで、不正したので(工場が)止まりますと言われた」現在、出勤は週に2日から3日。休みも含め、給料の9割は補償されるというが・・・「手取りで15万円から16万円ぐらいで、残業が一切ない。フル残業しても30万円台半ばで、普通で20万円から21万円ぐらい。そう考えると(通常より)約10万円ぐらい減っているし、いつ(クビを)切られるかわからない状態。切られてしまうと次の就職もないのでさすがに心配」
一次下請けの派遣社員として工場に勤務していた男性は「(会社から)連絡があるまで、ずっと休んどけ12月22日から待ち。ずっと家にいる」給与の補償額についても「支給日の3日前になっても、会社からの連絡はない。9割出してくれるのか出してくれないのかがわからない。もう不安しかない」
販売店も厳しい状況に置かれている。大阪ダイハツ販売では、通常月2000台の新車を売り上げるが、生産停止の影響で、1月は700台、2月以降は在庫車のみの商談となり、10分の1の200台まで減少する見込み。

大阪ダイハツ販売 箕面店 店長 松阪直樹氏:
「私たちの方から積極的にご案内はできない立場であり、お客様の方から中古車の要望があれば、ご案内しながら、再開を待つという状況。一番懸念をしているのが今のお客様がどれだけ、私たちの店から離れていってしまうのかなと。(メーカーには)まずは体制一新と、客の信頼を勝ち得るための組織と、それに準じた車作りをして、私たちが自信を持って販売できるクルマ作りをしてもらいたい」

国交省は立ち入り検査で、ダイハツから報告があった国内142件全てで不正行為を確認。新たに14件の不正が見つかった。
斉藤鉄男 国交大臣:
斉藤鉄男国土交通大臣は「自動車認証制度の根幹を揺るがす、ひいては日本の製造業の信頼性に関わる大きな問題」と発言。
中でも、衝突試験でエアバッグをタイマーで作動させるなど、特に悪質とされる3車種については、型式指定を取り消す方針を示している。

ダイハツ工業 社長 奥平総一郎氏:
ダイハツ工業・奥平社長は「本当に申し訳ございません」。斉藤大臣は、ダイハツの奥平社長に是正命令書を手渡し、組織の刷新と、1ヶ月以内に再発防止策を報告するよう求めた。

トヨタ自動車 社長 佐藤恒治氏:
ダイハツの親会社のトヨタ自動車・佐藤社長は「大変重く受け止めている。ダイハツは、国民車である軽(自動車)をこれまでもしっかり守ってきて、お客様にお届けしてきた。Aセグ(小型車)、Bセグ(コンパクトカー)と言われる車群に対して、少し身の丈を超えた負担が掛かっていたということならば、本来のところに、ダイハツのホームをしっかり置いて、確実に回していく」
野村証券の試算によると、ダイハツの生産停止が1ヶ月続くと、トヨタの売り上げは2400億円減少。営業利益を1000から1500億円押し下げるとしている。