J3開幕まで残り1ヶ月となったFC琉球。去年はリーグ20チーム中17位に2度の監督交代と苦しいシーズンを過ごしましたが、巻き返しを誓う今年は県民にどんなプレーを見せてくれるのか。入団5年目、県出身の上原牧人選手はチームをJ2に昇格させたいと、覚悟を決めた新シーズンを迎えます。

北部地域でキャンプを行っていた先週のFC琉球。人一倍の意気込みで開幕を待つのは、那覇市出身のディフェンダー、上原牧人(25)です。
FC琉球 上原牧人選手(DF)
「琉球でプロ生活をスタートさせてもらって僕が所属しているうちに降格もあったので、もう一度チームをJ2に昇格させたいという思いが強い」
城西国際大4年の2020年に、育成年代の成長を目的とした「特別指定選手」として学生ながら当時J2の琉球に加入した上原。怪我で長期離脱を余儀なくされた2021年を乗り越え、少しずつ出場機会を増やし、今ではディフェンスラインの一角を担う選手に成長しました。
FC琉球 上原牧人選手(DF)
「地元にあるJクラブのチーム、FC琉球で活躍したい思いが強いのと、家族やお父さんお母さんにここまでサポートしてもらったので、プレーや結果で恩返ししたい思いが強い」

サッカーに出会ったのは6歳の頃。ブラジル屈指のフットボーラー、ロナウジーニョに惚れ込んでいた当時、攻撃的なポジションで躍動していた上原。那覇西高校では、2年生と3年生の時に全国高校サッカー選手権大会に出場し、点取り屋としてチームを牽引しました。
プロ入り後にディフェンダーに転向し、以降守備的なポジションが続いていますが、得点への思いはずっと抱き続けています。
FC琉球 上原牧人選手(DF)
「どこのポジションでも点を取りたい思いはみんなが持っていると思うので、それは意識しながらプレーしている」

去年、5年ぶりに琉球に帰ってきた金鍾成監督は、新シーズンに向け上原をどう見ているのか聞いてみると、こんな答えが。
FC琉球 金鍾成監督
「彼は今年になるとディフェンスラインというよりはオープンで、より彼のポテンシャルが生きたポジションになると思う。去年も微妙にチャンスがあったんですけどね、ゴールまでという。今年はより、そういうところは出てくると思うので、大いに期待してほしい。期待されると良いプレッシャーになってくると思うので。チームもそうだけど、期待してください」

上原にはもう1つ、頑張る理由があります。
FC琉球 上原牧人選手(DF)
「めちゃくちゃリラックスできる時間ですかね」
一昨年生まれた長男の暖君です。
上原選手「最近はいろいろ喋るようになって、ね。」
暖君「おー!」
FC琉球 上原牧人選手(DF)
「僕はお風呂とご飯あげたりがメインですかね。夜は一緒のタイミングで寝るので。ある程度のことはやれるのかな。家族ができたというのは一番自分にとって大きいことなので、家族のために頑張りたい思いが強い」

特別指定選手として琉球に入団して5年目となる今季。25歳ながら、所属する県勢選手の中で最年長となった上原に、指揮官はこんな期待を込めていました。
FC琉球 金鍾成監督
「当たり前のように、サッカーのディープ3を打てるようなプレーヤーになってほしい。牧人だけではなしに、それは彼ら(県勢)が他の選手と違った責任を強く持たなくてはいけない。自分たちが!!という」

FC琉球 上原牧人選手(DF)
「チームの優勝、昇格に貢献するために多くの試合に出て皆さんに勝利を届けられるように、そういう選手になります。」"
県勢選手としての誇りと責任、そして家族のために。新シーズンに向けた上原の戦いが始まりました。