■第35回選抜女子北九州駅伝(21日、福岡県北九州市、小倉城歴史の道発着、一般5区間・高校6区間、27.2km)

実業団、大学、高校のトップチームが同じコースを走る選抜女子北九州駅伝が21日、福岡県北九州市で行われた。高校の部で2023年の高校駅伝、ゴール前で劇的な逆転優勝を決めた神村学園が2年連続5度目の優勝を飾った。神村学園は2区でカリバ・カロライン(3年)が12人抜きの快走を見せ、クイーンズ駅伝優勝の積水化学など社会人チームを同じ距離で競った4区間まで圧倒しての優勝となった。一般の部では肥後銀行が初優勝、創部初めて駅伝での優勝となった。

一般は5区間、高校生は6区間、高校生が最後の区間だけ2つに区切られ、全長は27.2㎞。気温11.1度と曇り空の下、全31チームが同時にスタート。

1区(5.3km)、序盤は立命館宇治の1年生、芦田和佳が先頭を引っ張り、積水化学などの社会人が隣につく展開に。しばらく20人近い集団が続いたが、3.3㎞を過ぎて積水化学の荒井優奈(23)が飛び出し先頭に立つ。4㎞を過ぎると、昨年優勝の神村学園などが遅れ始める。すると残り500mで地元、北九州市立の下森美咲(3年)が飛び出し、そのままトップでタスキを繋いだ。2位には大阪薫英、3位には銀河学院と高校生が上位を締めた。

2区(3.8km)に入ってすぐ、社会人のシスメックスが1位に立つが、10位でタスキを受けた京セラのアグネス・カムリ(21)、去年11月のクイーンズ駅伝4区で区間新記録を出し、今大会も8人抜き。しかし、それを上回ったのが13位でスタートした神村学園のカリバ・カロライン(3年)。去年12月の高校駅伝ではアンカーを務め、1分20秒差をゴール手前で大逆転の快走を見せた。この2区でもスピードに乗った走りで12人抜き、2㎞手前でトップのシスメックスを捉え、カロラインがトップに立つ。卒業後はJP日本郵政グループに入社予定のカロラインはそのままギアを上げると、カムリも置き去りにして、独走状態に入り、区間新の1位でタスキを繋いだ。

3区(3.9㎞)では、2位に18秒差をつけてスタートした神村学園の野口紗喜音(1年)が、高校駅伝2区14位の悔しさをバネに独走状態をキープ、2位の京セラを突き放す快走で40秒差をつけ4区へ渡す。

4区(3.8㎞)も神村学園はトップのまま5区へ。高校生は5区(5.9㎞)と6区(4.5km)を2人で走り、一般の部は5区(10.4㎞)を1人で走る。5区も神村学園の小倉陽菜(2年)が1位をキープするが、立命館宇治の池田悠音(3年)に14秒差に迫られ、最終6区の戦いに入る。

6区では序盤、立命館宇治の大西桃花(2年)が飛ばし、残り2㎞でトップの神村学園に10秒ほどに迫る。しかし、ここから神村学園の瀬戸口凛(1年)が踏ん張り、逆に突き放す走りを見せ、そのまま全体トップでゴールテープに飛び込んだ。

一般の部では、肥後銀行のアンカー、酒井美玖(21)が力走を見せ、初優勝を飾った。

【選抜女子駅伝北九州 一般の部結果】
優勝:肥後銀行(熊本)
2位:京セラ(鹿児島)
3位:シスメックス(兵庫)
4位:岩谷産業(大阪)
5位:積水化学(千葉)
6位:ユニバーサルエンターテインメント(千葉)

【選抜女子駅伝北九州 高校の部結果】
優勝:神村学園(鹿児島)
2位:立命館宇治(京都)
3位:大阪薫英女学院(大阪)
4位:銀河学院(広島)
5位:北九州市立(福岡)
6位:須磨学園(兵庫)