ハンドボール女子の日本リーグが19日に開催され、オムロンピンディーズが三重バイオレットを26-17で下した。そのリーグ戦の舞台裏で、ある“幻想的”なイベントが開かれた。それは「メタバース空間」を用いた試合観戦イベントだ。「メタバース空間」とは“超越”を意味するmetaと、“世界”を意味するuniverseを組み合わせた言葉で、インターネット上につくられた3次元の仮想空間を指す。そこに自身の分身「アバター」をアクセスさせ、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができる。最近ではオンラインゲームのフォートナイトや、世界各地の人とリアルタイムに会話できる“VRチャット”など、あらゆるエンタメの場で活用され、世界中で注目を浴びている。
それはスポーツ界も同様で、福岡ソフトバンクホークスがメタバース上に球場を再現したり、KDDIがサッカーの日本代表戦をメタバース上で開催するなどの実例もあった。そして、この日のイベントでは、アバターとなって参加した方々が投影された中継映像を観戦。1つのプレーに対し36種類のアイコンを用いて喜怒哀楽を表現することができる。

大きな盛り上がりを見せたのはハーフタイム。最新機能の投票機能を活用し、ミニゲームの勝敗を予想する「ハンドボール対決クイズ」やメタバース空間で選手と記念撮影が出来るフォトスポットを設置。参加者からは、「手のひらに乗れるの可愛い(笑)」、「対決クイズおもしろい!」など好感の声が続々と上がり、ここでしか体験できない幻想的な空間を楽しんだようだ。

イベントMCを務めたオムロンピンディーズ広報の藤尾悠さんは「ハンドボールは、サッカーのようなゴールゲームでありながら、格闘技のように激しいぶつかり合いもある、いわば"究極の球技"。まだメジャースポーツとはいえないけれど、一度見れば必ず虜になるスポーツです。今話題の最新技術メタバースをトリガーに少しでも多くの人にハンドボールファンになってもらえたらと願っています!」と熱い思いを語ってくれた。
ハンドボールの男女日本代表は現在、急成長を遂げている。男子は去年の10月29日、男子バスケ、男子バレーに続き、36年ぶりにパリ五輪自力出場を決めた。一方、女子も先月の世界選手権で格上のヨーロッパ勢に勝利するなど、4月のパリ五輪世界最終予選に向け、視界良好。その大会で予選リーグの4チーム中、上位2チームに入れば48年ぶりのオリンピック自力出場が決まる。ハンドボール界の新たな挑戦にこれからも目が離せない。
【パリ2024オリンピックIHF女子世界最終予選】
開催日 :2024年4月11日~14日
開催地 :未定
パリ2024オリンピックハンドボール競技 IHF女子世界最終予選の組み合わせが下記の通り決定。世界最終予選は4チームずつ3つのグループにより総当たりで行われ、それぞれ上位2チーム、計6チームがオリンピックへの出場権を獲得する。48年ぶりのオリンピック自力出場を目指す女子日本代表「おりひめジャパン」は、スウェーデン、ハンガリー、カメルーンと同じ組となった。
【組合せ】
◆トーナメント1
スウェーデン(世界選手権4位)
ハンガリー (世界選手権10位)
カメルーン (アフリカ大陸2位)
日本 (アジア大陸2位)
◆トーナメント2
オランダ (世界選手権5位)
チェコ (世界選手権8位)
アルゼンチン(パンアメリカン大陸2位)
スペイン (ヨーロッパ大陸9位)
◆トーナメント3
ドイツ (世界選手権6位)
モンテネグロ (世界選手権7位)
スロベニア (ヨーロッパ大陸8位)
パラグアイ (パンアメリカン大陸3位)