陸上男子100m日本記録保持者の山縣亮太(31、セイコー)が19日、パリ五輪イヤーのシーズンインを前にオンライン会見を行った。

2021年10月に右ひざを手術し、昨年4月に行われた織田幹雄記念国際で1年7か月ぶりに復帰。「手術をしてから2年が経ちましたけど、2年間の長い時間をかけてベースアップしてきた部分をさらにブラッシュアップしていくということがテーマ」とこの冬のトレーニングに取り組んできた。

昨季は10レースに出場したが「スタートからするどく飛び出せるレースがなかった」という山縣。冬の取り組みの成果を活かし今季は「スタートから飛び出せるようなレースをしていきたい」と語る。

7月にはパリ五輪が控える。「2021年の東京が終わってから22年、23年と僕としてはなかなか思うように走れなかったり、そういう時間が長かった」といい「すっきりと気持ちのいいシーズンにしたい」。2012年ロンドン大会からの4大会連続出場へ「気持ち的な部分ではそんなに大きな違いはないんですけど、冬季練習への取り組み方においては過去3大会の時と比べて質が高いという部分で違った過ごし方をしてるなと思う」と、充実ぶりを話す。

次戦は2月25日の室内選手権(鹿児島・大崎町)を予定。「例年の冬よりはスピードも保ちながら練習を継続することができてるので、状態は悪くないと思う。少しでも早い段階で調子をあげて日本選手権に臨んでいきたいと思っている。練習の成果をしっかり出したい」。パリ五輪代表入りへ重要な、6月の日本選手権に向け調整を続ける。

「世界と戦うというところを考えたら9秒台がスタートラインになってくると思いますし、僕自身はこの冬はそこを意識して、練習とかも設定タイムを設けてやってきたところではある。そこに対する自信もいつもよりあります」と山縣。「僕はいけると思ってます。日本記録」。自身が持つ日本記録9秒95の3年ぶりの更新にも自信をのぞかせた。