石川県輪島市の消防団員の男性は亡くなる直前まで、住民の命を救うため、任務を果たそうとしていました。
輪島市消防団 室端宏 門前分団長
「かわいそうにな、本当に。痛かったやろうな」
倒壊した住宅を見つめるのは、輪島市の門前消防団で分団長を務める室端宏さん(62)。
この家で暮らしていた消防団員の稲垣寿さんは、今月1日の地震で建物の下敷きになり、46歳で命を落としました。
輪島市消防団 室端宏 門前分団長
「本当いいやつでした。人が1本持つホースを“重たかろう”って2本持って、人が2本持てば4本持つ」
27軒、52人が暮らす門前町高根尾地区。電気関係の仕事をしていた稲垣さんは、20年前から消防団で活動していました。
1日の地震の際、稲垣さんは同居する母と祖母を外へ逃し、自身は出動のため消防服に着替えている最中に、2度目の大きな揺れに襲われました。崩れ落ちた2階と大きな梁に挟まれ、稲垣さんは生き埋めに…
輪島市消防団 室端宏 門前分団長
「部下と一緒に駆けつけた時は、担架代わりの毛布の上に乗って、もうダメでした。口元はちょっとほほえみ、救助しているみんなを和ませようとして、『大丈夫、大丈夫』って言ってたんでしょうね、笑顔で」
看護師の姉・坂下加奈子さんも現場に駆けつけ、心臓マッサージなどを施しましたが、稲垣さんの意識が戻ることはありませんでした。
稲垣さんの姉・坂下加奈子さん
「自分より人のために動く人。当時も被災した人を助けようと出動準備をしていた」
輪島市消防団 室端宏 門前分団長
「顔思い出して…。最後までベルトをズボンに通そうとして、消防のオレンジベルトを握りしめていました。亡くなっても握りしめていました」
稲垣さんの一つ先輩、同じ消防団員の下口十吾さんは…
稲垣さんの先輩団員 下口十吾さん
「とても正義感強くて、すぐに火事場とかに来てくれる人。リーダーシップがあって、みんなに『おい、行くぞ!』って言ってくれる」
輪島市消防団 室端宏 門前分団長
「彼が最後、12月31日、巡回で運転していたポンプ車。ちょっと思い出してしまった、『分団長、行ってきます!』って…。今までありがとう。本当に熱い男でした」
最後まで人のために尽くそうとした稲垣さん。地域のためを思う正義感あふれる人の命を、地震は無慈悲にも奪いました。
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