山形市のお寺で、地域の人々の困りごとを解決する、あるユニークな取り組みが始まりました。
お寺を身近に感じるきっかけにもなりそうです。

報告・大塚美咲:「お寺に集まる、大量のお賽銭。こちらのお寺では、お札などをもってくると、無料で小銭と交換してもらえるという取り組みが始まりました」

山形市小荷駄町の隆勝寺です。
きょうから行われているのが、お賽銭をお札に両替するサービス。
きっかけは…。

隆勝寺・東谷智彦 住職:「気持ちののった小銭ということですので、これが事務的にでも(手数料で)消えて行ってしまうのは忍びない」

今は、金融機関で小銭を入金するのにも手数料が必要で、隆勝寺でも、年間2200円ほどかかっていたということです。

そしてさらに、現在は多くの金融機関で小銭とお札の両替サービスが有料に…。

そこで、住職は考えました。

隆勝寺・東谷智彦 住職:「お賽銭を(金融機関に)入れるのも今は手数料がかかるんだという話をしたら、飲食店側も、棒金にするのに手間がかかるということで、だったらここで交換したほうがお互いにとっていいんじゃないかと」

サービス開始のきょう、さっそく利用者が訪れました。

住職「5千円でお間違いないですか?」
利用者「そうですね。5千円お持ちしましたので、両替お願いします」
住職「はい、ご確認お願いします」

山形市内の飲食店に勤める安孫子和起さんです。

キャッシュレス化が進む今でも、客のおよそ8割が現金を使用するそうです。

山形市の飲食店に勤める・安孫子和起さん:「いつも行くのは、銀行に行って紙に書いて手続きをして、ということがあって手間がかかる。事前に連絡をして小銭の枚数とかも決めることができるということだったので、便利さが一番かなと」

大事なお賽銭を大切に使いたいお寺と、お釣りで使う小銭が必要な飲食店。

双方にとって、メリットがあるようです。

そして、東谷住職は、もう一つ、期待を寄せています。

隆勝寺 住職・東谷智彦さん:「お葬式など儀式だけでなく、フランクに、気軽に入っていただけるような縁の一つになればなと思っています」

お寺と地域がつながり、困りごとを解決し合うこの取り組み。

事前に連絡をすれば、個人でも利用できるということです。