『この顔に生まれた』からこその経験…

病状が悪化して、手術したときにはこんなエピソードも…。

夫 悟さん:「ICUでいろんなもん繋がれて、動けん状態で『どうやぁ、大丈夫かぁ』って言ったら、こう(かとちゃんぺのポーズ 笑)」

河除静香さん:「よう覚えとるね(笑)」

夫 悟さん:「あ、大丈夫だぁって。面白いやつですわ」

河除静香さん:「まあ、山あり谷ありです。山あり谷ありだけど、生まれてきてよかったとは思いますね」

いまも、決してつらさがなくなったわけではありません。でも、自分だからこそできる表現で…。

河除さんは堂々と生きています。

主人公:「私の心は、いまとても晴れやかだ」

観客:「主人公の心境の変化とかもすごく間近で見て、もう涙しそうになりました」

観客:「ここまでの考えになるまでに、どんだけの葛藤があったのかなって思って」

観客:「もちろん共感もしたけれど、共感っていうより気づかされたことがたくさんあった。会えてよかったです」

河除静香さん:「いろんな人に出会えて、それがすごく楽しくもあり、いろんな経験もできる。それはこの顔に生まれたからでもあるかなと思います。(記者:人生楽しいですか?)そうです、楽しいですね、はははは」

河除さんには、まだやりたいことがたくさんあります。その一つが、去年の10月から砺波市で活動している劇団に入り、1人芝居にとどまらず「人と芝居をする」ことです。劇団の公演はことしの夏か秋ごろが目標だそうです。

このほかにも「自分の話の絵本をつくりたい」「孫の顔を見たい」など、とにかく夢にあふれています。100歳まで元気に生きたいと話す河除さん。

取材の最後に、河除さんは「本当は、こういったテーマの取材で取り上げられることが必要なくなるような、いろんな人がいて当たり前、その当たり前が受け入れられる社会になってほしい」と話していました。